成年後見はお金がかかる?

 「成年後見制度は、裁判所への申立にお金がかかり、後見人の報酬にもお金がかかる」、という理由から敬遠される方も多いようです。しかし、私ども後見人として活動している者から言わせていただくと、それは必ずしも当たっていないと思います。

 裁判所への申立や後見人の報酬に費用が必要になることは事実です。しかし、後見人等がいることによって、得られる収入があり、抑えられる支出があります。以下では、後見人等が対応でき、それによって金銭的なメリットが得られるケースについて書いてみたいと思います。

確定申告

 認知症などで判断能力の低下した方が確定申告を行うことは簡単ではありません。源泉徴収票や医療費の領収証、保険料の控除証明書などを準備して、各種控除(成年被後見人は特別障害者控除の対象となっています)を適用して申告を行うことは、健常者にとっても相応に憂鬱な作業です。
 たしかに、国税庁は、年金収入が400万円以下(その他所得20万円以下)の場合は、確定申告が不要です、と案内していますし、多くの年金受給者がこの要件を満たします。
  公的年金等を受給されている方へ(国税庁ホームページ)
 ただ、申告不要制度の対象者であっても、医療費に相応の金額を支出している人など、住民税の申告をすべき人は少なくありません。ただでさえ、認知症の高齢者や障害をお持ちの方は、医療費や介護費が高額になりがちです。
 しかし、判断能力が低下して申告ができないために、所得税・住民税が課税され、医療・介護の自己負担割合が3割となり、高額医療費の上限まで上がってしまうというケースもあるのです。

保険金請求

 保険金の請求も、簡単な手続ではありません。判断能力が低下してしまうと、自分がどのような保険に加入していたかが分からなくなることもあります.仮に分かっていたとしても手続が難しくて請求ができません。ですから、入院をして手術をしたとしても、保険金が受け取れない方がいます。年金保険にしても同じです。「今年から受給することができます」という案内が来ていても手続ができないのです。

障害をお持ちの方の場合

 障害者手帳や療育手帳を受け取ることによって受けられるサービスは非常に広範です。精神障害者手帳であれば自立支援医療の対象となりますし、重度心身障害者医療費助成もあります。住宅改造費の助成、NHK受診料の減免、携帯電話料金の割引、自動車税・自動車取得税の減免などがありますし、市町村が独自に設けている助成制度もあります。

財産の発見

 私どもは、後見人等に就任すると、多くの場合ご本人の自宅を確認させて頂きます。そして、ご本人や親族の了解を得て、自宅にある書類等を確認させて頂きます。それによって、ご本人の保有する財産や収入・支出の状況を把握するわけですが、非常に多くの場合、当初聞いていたものよりも多くの財産が見つかります。2000万円程度と聞いていたのに、蓋を開ければ1億円を超える財産をお持ちだったケースもありますし、何が入っているのか分からなくなっている金庫の中から大金が見つかることもあります。先にも書きましたが、把握していなかった保険契約や、銀行口座が見つかることも少なくありません。

不要な支出や漏出の防止

 判断能力の低下につけ込んで、いろんな物を売りつける商売人がいます。新しい家電製品があちらこちらに備え付けてあるお宅もありましたし、いろんな箇所がリフォームされていて高額な領収書が見つかるケースもありました。
 一方で、お金をかすめ取っていかれる友人・知人と称する方々がおられます。愛人のような方に数千万円持って行かれていたケースもあります。これらの方々も、法律家が後見人に就任したことを知れば、本人に近寄らなくなります。
 また、判断能力が低下すると、通信販売などで同じ商品を大量に買ってしまわれる方もおられますが、通販業者に連絡することで、このようなこともなくなります。

遺言

 判断能力が低下しても遺言を作成することは可能です。民法は、成年被後見人が遺言を作成する場合には医師の立会を求めていますが、それ以外の場合は、特段の規制がありません。遺言の作成に関与した専門家に全ての財産を与えるという遺言を作成している方がおられます。また、自分が入居している施設に全財産を与えるという遺言もあります。預貯金等定型的に処理できる財産についてのみ大きな会社が執行し、動産等手間のかかる財産は受遺者が執行するという内容の遺言があります。
 公正証書で作成されている限り、公証人が本人の意思を確認しているわけですが、首を傾げたくなるような遺言も実際にあるのです。

 以上は(遺言を除き)、後見人等が就任することにより、支出が抑えられ、財産が増加するケースの一例です。このようなメリットを享受できる方の場合、結果的に後見人の報酬はそれだけ抑えられると考えることもできるでしょうし、場合によっては計り知れない利益が得られることもある、というのも成年後見の一面なのです。

営業エリア
奈良県北和地域 奈良市、生駒市、天理市、(旧)月ヶ瀬村、(旧)都祁村
奈良県中和地域 大和高田市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、葛城市、北葛城郡広陵町、磯城郡川西町、磯城郡三宅町、磯城郡田原本町、高市郡明日香村、高市郡高取町
奈良県西和地域 生駒郡平群町、生駒郡三郷町、生駒郡斑鳩町、生駒郡安堵町、北葛城郡上牧町、北葛城郡王寺町、北葛城郡河合町
奈良県東和地域 天理市、桜井市、宇陀市、曽爾村、御杖村、山添村
京都府南部地域 宇治市、城陽市、京田辺市、木津川市、綴喜郡宇治田原町、綴喜郡井手町、相楽郡笠置町、相楽郡和束町、相楽郡精華町、相楽郡南山城村、(旧)山城町、(旧)加茂町
上記以外の地域 当事務所は、上記の主な営業エリア以外でも、大半の業務について全国対応いたしております。ただ、後見人就任などの特定の業務については対応できない事、交通費などが必要となる場合がある点にご留意ください。当事務所にご関心をお持ちのお客様は、遠慮なくお問い合わせください。ご希望に添えるよう対応させていただきます。
近隣駅 学園前、富雄、菖蒲池、学研奈良登美ヶ丘、学研北生駒、西大寺、平城、高の原